嵐しょーせつ。Part3
第52章 5人兄弟Ⅱ
和said
18の時、親父が雅紀のことを勘当して、それから10年も会ってなかった。
親父の死をキッカケにまた一緒に過ごせることになって早2年。
俺たちももう30代になって、充実した日々を過ごしていた。
昼頃、会社のポストの中を開け、郵便物を取り出していた。
和「、、、ん、?」
そこに入ってた一枚の茶色い封筒。
よく見ると、この前雅紀の作品を応募したコンテストの結果だった。
すぐに報告したけど、、、
雅「、、、単行本は出したくない。」
最優秀賞の特典には、単行本が出版できるということ。
これでまた大きな一歩を踏み出せることができると思ったのに、雅紀は気持ちが乗らない。
そして、何も話さずギクシャクしたまま夜になり
雅「先に帰って。俺、行きたいところがあるから。」
、、行きたいところ、?
智「、、わかった。和也行こう?」
智はなんとなく察したみたいで、俺を連れて帰った。
和「、、なぁ。また雅紀が居なくなるってことはないよね?」
智「それは大丈夫だろ。あいつだってそこまではしないよ。」
和「だといいけど、、、」
あの空白の10年間。
雅紀と同室だったのに、急にひとりぼっちになって寂しくて、、、最初はよく3人のところへ行って一緒に寝てた。
だから、あの時戻ってきてくれたことがほんと嬉しくて一生離したくないって思ったんだ。