テキストサイズ

私だけに尽くしてよっ!

第2章 高校2年 春

「立花さん、あの…」

「なに?」
なんでモテてる奴が!私みたいな根暗に何か用なの?!

「次の国語…なんだけど、教科書忘れたみたいでさ… よかったら、見せてもらえないかなって…」

―ああ、そういうことか。

「なんで私なの?アンタはモテるんだから、ほかの女の子にでも貸してもらえれば?」

「え…?」

「じゃ。」

……教室に、長い沈黙が降りた。そのうち、女子が囁きはじめる。

ーなにあれ?感じ悪っ!
ー今の態度むかつくよね~
ーいーこと思いついた!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


光梨は雨の中屋上にいた。

「よしっ。」

光梨は、ケータイ小説を書き終えた。
このところ、ずっと1位の光梨の小説。光梨じゃなくて、『ひーか』だ。


ーあとの時間、なにしょっかな…

「立花光梨」

突然名前を呼ばれ、光梨は反射的に声のする方へ向いた。そこにいたのは…希望だった。

「なんで授業、サボってんだよ」

「関係ないでしょ。ほっといてよ。ってか、アンタもサボってんじゃん」

「うっせーよ!お前、なんで屋上にいるんだ?雨も降ってんだぞ!なのにそんな薄い格好で…。」

「どーでもいーでしょ。じゃ、あたし、帰るから。荷物はそのまま教室に置いといてよ。放課後までに帰ってくるからさ。」

「は…?」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ