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ジッパー様

第17章 なり損ないの末路【セイヤside】

「男を呼ぶのはまだや。ハルカちゃんも疲れてはるし、少し休ませる」


 僕がそう言い放つと、いちごはニヤリと笑った。


「うふっ。セイヤさんも、ハルカのことを好きになってしまったのね? これは三角関係かしら? それとも四角関係?」

「僕はそんなんやない」

「片桐部長とセイヤさん、それに……伊崎社長」

「え?」

「ジッパー様からも、いろんな人からも愛されて、ハルカが羨ましいわっ」


 ちょお待てや。
 なんで社長が……。
 社長はハルカちゃんをただ利用してるだけや。


「うふっ。あなたもジッパー様のきょうだいになれば、永遠にハルカを抱けるのよ」

「!」

「愛があれば……ね」


 何を言うてるんや、この女は。
 ジッパー様になったとしても、永遠に抱けるわけないやろ……。
 いや──もしかして、何か知ってる?



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