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ジッパー様

第17章 なり損ないの末路【セイヤside】

「そいつはオレの車を崖から落としたんだ! だからオレはここまで歩いてくるはめに……って、おい! あいつ……あいつだよ! 今お前の後ろにいるっ……」


 その時、背中に殺気を感じた。
 振り返ろうとした瞬間、何かに足を引っ張られ転倒する。


「ギャアアアアッ!!」


 同時に、メガネ男の叫び声とゴキッと鈍い音が頭上から聞こえてきた。


「!?」


 一体何が起きたのかわからない。
 でも頭上からは赤い血がポタポタ落ちてきて、僕の顔に振りかかってきた。


「セイヤ! 走れ!」

「!」


 社長の叫び声で、僕は無我夢中で走りだした。その間も背後からすごい殺気を感じて、何度も足がすくみそうになった。


 バアンッ!!


 玄関ホールの扉を閉めて鍵をする。
 そして社長と共に、監視モニタールームへと逃げ込んだ。



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