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ジッパー様

第17章 なり損ないの末路【セイヤside】

 ハルカちゃんは身体を痙攣させて何度も絶頂する。しかし男は挿入したまま、今度は立ち上がって駅弁スタイルで部屋の中を歩き始めた。


 端から見れば、普通の人間にしか見えない。本当に血を分け与えられたジッパー様のきょうだいなのか?


 その時、玄関のチャイムが鳴った。
 監視モニターをチェックすると、メガネをかけた男が苛立った様子でこっちを睨み付けていた。仕方なく、玄関へ向かう。


「誰や?」

「お前、さっきオレに電話してきただろ! 早く女に会わせろ!」


 この男、さっき電話で呼び出した……。


「もう三時間過ぎてる。この話はなかったことにしてや」

「おい、待てよ! オレの話を聞いてくれ! 実はな、連絡を受けたあと車を走らせてたら、男がいきなり飛び出してきたんだよ! オレは人を轢いちまった……。でもその男は何事もなかったかのように立ち上がって、オレの車を持ち上げたんだ!」

「!」


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