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ジッパー様

第17章 なり損ないの末路【セイヤside】

「ああ……言い忘れたが、セイヤ。今からお前は自由だ。私が正気でいられるうちに、ここから逃げろ」

「えっ……」


 その時、伊崎社長がゴホゴホと咳き込んだ。


「そんなこと急に言われても、他に行くところなんて……」

「………新たな人生は送れるくらいの金は振り込んでおいた。あとは好きにしろ」

「!」


 伊崎社長の髪がみるみるうちに白髪になっていく。しかも背中が盛り上がり、服が破れそうになっていた。


「あら? もう反応が現れ始めたわね」


 いちごは嬉しそうだ。


「伊崎社長……!」


 まだ注射の針は刺さったままだ。なのにこんなに早く変化するなんて……全ての血が入ったらどうなってしまうんだろうか。



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