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ジッパー様

第17章 なり損ないの末路【セイヤside】

「セイヤさん、早く逃げてください。伊崎社長がジッパー様化したら、あなたは殺されるかもしれないんですよ」

「!」

「伊崎社長は超能力も使えるので厄介です。もし自我がなくなれば、私たちでは太刀打ちできません」

「……っ……」


 太刀打ちできないって……もし伊崎社長がジッパー様のなり損ないになったら、誰が伊崎社長を止めるんや? ハルカちゃんはどうなる?
 化け物を作っておいて放置するって、そんなの……無責任すぎるやろが!


 僕はハッとした。
 そうや、こうなることも知らずに、そんな無責任なことを僕らはやってきたんや。
 ただ、自らの欲望のために──。


 僕はデスクの引き出しから拳銃を取り出した。


「……僕は逃げへん。もし伊崎社長がみんなに危害を加えたら、その時はあなたを撃ち殺す!」


 それが僕の責任の取り方や。


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