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ジッパー様

第17章 なり損ないの末路【セイヤside】

「伊崎社長……。必ず……必ず、人間のままでいてくださいっ……!」


 僕はなぜかそう叫んだ。
 そうやって言っておかないと、伊崎社長は人間ではなくなってしまう気がしたからだ。


 でも伊崎社長は何も答えてくれなかった。
 プールの建物から出ると、すぐに男の断末魔の叫びが聞こえてきた。


 どうやら伊崎社長は男の身体を肉の塊にしたあと、身体の中に取り込んだらしい……。


 共喰い? 融合?
 そういえば、なり損ないの男たちも融合していた。


 伊崎社長の腕は六本になっていた。
 もう、完全に化け物だ。


「化け物? 違うな、私は神になったのだよ」

「すごいわ、本当に神になってしまうなんて! 伊崎社長……ううん、あなたこそが本物のジッパー様よ!」


 あんたたちは一体、何を言っているんだ?



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