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ジッパー様

第18章 疼く身体

 いちごに確認しないと……。
 でもこれだけ声を出しても気づかれないということは、本当に誰もいないのかもしれない。私は服を直して、椅子に向き直った。


「……もしかして、進藤さん?ですか?」


 偶然なのか、椅子はコテンッと横に倒れた。


「本当に……本当に……?」


 どうして?
 なぜ進藤さんが椅子にさせられたの?
 一体誰に……どうやって……!?


「……っ……」


 でも知るのが怖い。
 それに真実を知ってしまったら、私はもうジッパー様を受け入れられない……。


「ごめんね、進藤さん。また、来るね……」


 私は椅子を起こすと、喫茶店の敷地内から飛び出した。足早にアパートに戻ると、片桐部長が珍しく夕飯を作ってくれていた。


「こんな時間までどこに行ってたんだい?」

「……」

「ご飯にする? お風呂にする? それとも……ん? くっせえな、お前」


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