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ジッパー様

第19章 真実

「あら、その椅子が進藤さんだって、よくわかったわね? ハルカ」

「……っ! いちご!?」


 いちごが裏口のドアから現れた。


「びっくりしちゃって、どうしたの? ここはあたしのお店よ? いたとしてもおかしくないでしょ?」

「そんなっ……。いたなら、助けてくれたって……」

「助ける? どうして? だってハルカも楽しんでたじゃない、複数の男たちに犯されるの」

「……っ……」

「やぁだ、まだ自覚ないの? あれだけ別荘で初対面の男たちとも、ジッパー様のなり損ないともセックスしてたじゃない」

「ジッパー様のなり損ない……?」

「本当に何も覚えてないのね。進藤さんも可哀想に……。身体を張って守ろうとした好きな女がこんなビッチだなんて」

「……っ……」

「片桐部長だって、ハルカのせいで職も家も失ったのよ」


 そのこと、なんでいちごが知って……。


「みんな、あなたに関わると不幸になるわね」


 いちごの口から出た言葉が、深く胸に突き刺さった。


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