異世界転生が出来ると思ったのにポイントが高すぎる
第2章 後編
――――――――
若い頃に住んでいたアパートのベッドのうえで目が覚めた。
「あれ? めっちゃ長い夢おち?」
うーんと背伸びをして時計を見ると7時半だった。
「あ、やばっ! 遅刻しちゃうよ」
長い長い夢を見ていた気がする。
「自分が年取るとあんなふうなんだなあー」
朧げな夢を思い出しながらパンをかじり、支度を急ぐ。出掛ける寸前にはもう夢の内容は忘れていた。
「さて、いこう」
がちゃりとドアを開けると目の前に夢だったはずの銀月様が麗しい袴姿で優雅に尻尾を揺らしながら宙に浮いている。
「ぎ、銀月様……」
ぽかんとしている私に銀月様は手を差し伸べる。
「迎えに参った」
まだ夢見てるのかな? 言われるままに差し出された手を取ると銀月様は私の身体をふわりと抱き上げ口づけを与える。
甘い感触にこれは現実だとやっとわかった。
「こ、これは一体?」
どこからどこまでが現実だったのだろうか?
「お前のポイントをすべて使った。これから一緒に年老いてゆこう。――異世界で」
「――! どこでも、異世界でも、天国でも、地獄でも、どこでもいです! 銀月様と一緒にいられるなら!」
嬉しさのあまり身体が震え、涙が溢れてくる。その涙を銀月様は優しく指先で拭い、そっと囁きかける。
「まずは、らぶえっちからだったな」
「!!!」
私はもう、悶死寸前です。
終
若い頃に住んでいたアパートのベッドのうえで目が覚めた。
「あれ? めっちゃ長い夢おち?」
うーんと背伸びをして時計を見ると7時半だった。
「あ、やばっ! 遅刻しちゃうよ」
長い長い夢を見ていた気がする。
「自分が年取るとあんなふうなんだなあー」
朧げな夢を思い出しながらパンをかじり、支度を急ぐ。出掛ける寸前にはもう夢の内容は忘れていた。
「さて、いこう」
がちゃりとドアを開けると目の前に夢だったはずの銀月様が麗しい袴姿で優雅に尻尾を揺らしながら宙に浮いている。
「ぎ、銀月様……」
ぽかんとしている私に銀月様は手を差し伸べる。
「迎えに参った」
まだ夢見てるのかな? 言われるままに差し出された手を取ると銀月様は私の身体をふわりと抱き上げ口づけを与える。
甘い感触にこれは現実だとやっとわかった。
「こ、これは一体?」
どこからどこまでが現実だったのだろうか?
「お前のポイントをすべて使った。これから一緒に年老いてゆこう。――異世界で」
「――! どこでも、異世界でも、天国でも、地獄でも、どこでもいです! 銀月様と一緒にいられるなら!」
嬉しさのあまり身体が震え、涙が溢れてくる。その涙を銀月様は優しく指先で拭い、そっと囁きかける。
「まずは、らぶえっちからだったな」
「!!!」
私はもう、悶死寸前です。
終