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君はぼくの全て

第4章 4時間目


あからさまにまーくんが固まった

握った手からも、それが伝わる

嫌なの?

ほっぺたには出来ても、口にはしたくないの?

聞くのは怖い

だけど聞きたい

少なくとも、まーくんだって俺を好きなのは分かってる

でもね

だけどね

“好き“ の度合いは?

まーくんからの積極的なアプローチって、ほとんどないよ?


「かず」

フゥ、と大きく息を吐いたまーくんが、俯く俺の顔を下から覗き込んだ

何を言われるんだろ

期待と不安、どっちかと言えば不安が大きい


「顔、上げて」

「無理」

今、まーくんの顔見たら泣きそう

「上げてよ、かず」

「やだ」

「…上げなきゃ、ちゅー出来ない」

「え」

まーくんの言葉に反射的に顔が上がったその時



ー…元々近かったまーくんとの距離が、ゼロになった



ちゅー、だ

まーくんと、本当のちゅーしてる

いや、ほっぺただって偽物って訳じゃないけど

でも

え、本当に?

この感触、初めてだけどまーくんの唇に間違いないんだよね?

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