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涙の先に見えるもの

第1章 涙の先に見えるもの







        ***


 公園のベンチ。

「たまにはこういうご飯もいいよね。商品開発のヒントになりそう!」

「そうですねぇ」

「いつも一人でご飯、寂しくない? 僕で良かったらこれからランチ一緒しない?」

「あー……」

 嬉しい誘いではあるが、いつもとなると私の秘密がバレてしまう。それだけは、なんとしても避けたい。前の職場でもオムツというこの秘密がバレたことで女子社員からの陰湿ないじめが始まった。自分を空気にすることでこの会社では、なんとかやっていけているのだ。

「僕ね、相澤さんが中途の新入社員で入ってきた時から気になっていて……関わっているうちに相澤さんのこと好きになったんだ。今すぐにとは言わない。僕と付き合ってくれないかな?」

「……ごめんなさい! 無理です!!」

 私は、早口で言うと、急いで片付けて、走り出してしまった。

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