涙の先に見えるもの
第1章 涙の先に見えるもの
「違うんだ。相澤さんの秘密、知ってたんだ。新入社員の時、夜遅くまで一緒だったこと何回かあっただろ? その時でもお手洗いはオフィスじゃなくて、一旦、コンビニに行ってたから。夜食とか必要なものとか言って……。で、ある日、相澤さんがうたた寝しちゃった時に夜中にタイマーがなって、起こしたらダメだからって切った時にオムツ交換って文字が見えたから……。僕がそんなこと知ったって知ったらショック受けるだろうって、ずっと黙っていたんだけど」
「じゃあどうして……?」
「そのこと知っても相澤さんの仕事ぶりのがんばり屋さんのところとか、優しくて繊細な性格とか好きになっていたらそういうの問題じゃなかった。欠点だって個性だし、相澤さんが努力家なのは僕が一番知ってるから。ただ、振られて僕もショックでさ……。ごめん」
「いっ、いえ、私こそごめんなさい! あの、私の本当の気持ち、言わせて下さい。あの時の告白がまだ有効ならば、私とお付き合いして下さい……!」
「もちろんです」
本日、二度目の涙。今度は悔しいのでも辛いのでもない。嬉しいのだ。
「じゃあどうして……?」
「そのこと知っても相澤さんの仕事ぶりのがんばり屋さんのところとか、優しくて繊細な性格とか好きになっていたらそういうの問題じゃなかった。欠点だって個性だし、相澤さんが努力家なのは僕が一番知ってるから。ただ、振られて僕もショックでさ……。ごめん」
「いっ、いえ、私こそごめんなさい! あの、私の本当の気持ち、言わせて下さい。あの時の告白がまだ有効ならば、私とお付き合いして下さい……!」
「もちろんです」
本日、二度目の涙。今度は悔しいのでも辛いのでもない。嬉しいのだ。