涙の先に見えるもの
第1章 涙の先に見えるもの
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お風呂から上り、新しいオムツを履き、用意してくれていた大きめのトレーナーを着て、先程の部屋に入る。
「ごめんな、さすがに下に履くのはなくて。なんか……エロイな」
ロングトレーナー一枚という姿。オムツが見えてしまうんじゃないかとヒヤヒ……ん? そういえば、下着を用意する話は出ていない。あれ?
「ココア……で良かったかな?」
「あ、はい」
「とりあえず座りなよ」
沢野さんの促しで、こくりと頷き、私は腰を下ろす。すると頭に温かい感触。沢野さんは昔から私の頭をよく撫でる。この感触にいつも落ち着かされる。
「ごめんな、無理してでも飲み会……行けば良かった。僕の軽率な行動のせいでこんなことになってるなんて」
「い、いえ……。沢野さんのせいでは」
来てくれただけで助かった。ただ、会社は辞めることになるだろうけれど。