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涙の先に見えるもの

第1章 涙の先に見えるもの


        ***

 お風呂から上り、新しいオムツを履き、用意してくれていた大きめのトレーナーを着て、先程の部屋に入る。

「ごめんな、さすがに下に履くのはなくて。なんか……エロイな」

 ロングトレーナー一枚という姿。オムツが見えてしまうんじゃないかとヒヤヒ……ん? そういえば、下着を用意する話は出ていない。あれ?

「ココア……で良かったかな?」

「あ、はい」

「とりあえず座りなよ」

 沢野さんの促しで、こくりと頷き、私は腰を下ろす。すると頭に温かい感触。沢野さんは昔から私の頭をよく撫でる。この感触にいつも落ち着かされる。

「ごめんな、無理してでも飲み会……行けば良かった。僕の軽率な行動のせいでこんなことになってるなんて」

「い、いえ……。沢野さんのせいでは」

 来てくれただけで助かった。ただ、会社は辞めることになるだろうけれど。

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