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オキナグサ

第5章 お付き合い


「うん、それも持ってく。それで、俺は何時でもいいけど、何時がいい?」
『何時でもいいなら、昼一緒に食べよう。12時に駅で』


朝陽さんの家の最寄駅は
あそこか


頭の中で思い浮かべた駅名を言うと『あぁ、そこで』と返事が返ってくる


「わかった。じゃあまたーーー」


明日、と続けようとして


『ちょ、ちょっと待ってくれ』


と朝陽さんに遮られる


「なに?」
『あの…………』


あの?
あの、なんだ


『明日、泊まって、行かないか……?』
「!」


本当の意味のお誘いを
されてしまった……?


「無自覚で言ってるわけじゃないよね? 俺朝陽さんと付き合ってからちゃんと禁欲してるから、結構溜まってるけど」
『わかって、る……』


わかってて俺のこと誘ってるんだ


「そう。なら、楽しみにしててね?」
『……っ』


電話越しでもわかるぐらい、明らかに息を飲んだ

可愛いね


「じゃあ明日、着替えとかも持ってく。俺も楽しみにしてるから」
『……っ、あぁ』
「おやすみ、朝陽さん」
『……おやすみ』


言ったこと後悔する間かな
それとも
明日のこと期待する間かな

朝陽さんは気持ちいいことに従順なタイプだから

期待、かもね

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