無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

普通に付き合いたての会話みたい


「うん、行く。色々取り付けなきゃいけないし」
『そうだな』


そうだな、じゃないよ


電話しながら操作していたパソコンで盗聴用のマイクがついたリアルタイムで映像を見られる監視カメラを注文する

届くの3日後か
結構かかるなぁ

前の人に使ってたやつは捨てちゃったし……
そもそもあんまり使い回ししたくはないんだけどね

待つしかないか


「あ、あとサイト退会してくれてありがとう。でも歩きながらスマホ弄るのは危ないからやめようね」


こんなこと言われたら普通はゾッとするけど


『少しだからいいとやってしまった。こういうところから事故が起こるから、気をつける』


なんでこんな真面目に返事が返ってくるんだろう

俺がおかしいんじゃないよね
俺がおかしいのは束縛しようとしてることだけだよね


「うん。じゃ、明日も仕事でしょ？ 早く寝なよ」
『あぁ、すまない。気を使ってくれてありがとう』
「おやすみ」
『おやすみ』


静まり返ったスマホをアプリを起動しながら眺める


朝陽さん、普通に明日の目覚まし用アラームをセットして充電してる


なんでこんなに危機感とかないんだろう