甘美な吸血〜貴方の餌になりたい〜
第5章 ヴァンパイア
それからというもの、私はヴァンパイアについて、色々と調べた。
でも、その情報は別にどうでもいい事ばかりであることに気付く。
私が知りたいのは、こんな事ではない。
いくら本やネットで情報をえても、肝心な彼の情報は得る事が出来ない。
どうしたら、また逢えるの?
どうしたら、彼に近付けるの?
それが本当は一番知りたかった。
ヴァンパイアの知識は増えても、肝心な彼についての事は、知る事は出来ずにいた。
ただ分かることは、彼は紫艶という名前である事。
そして、普段は人間として生活している事。
あの夜、彼は普通に人間として存在していたし、女の人が彼を紫艶そう呼んでいたから。