甘美な吸血〜貴方の餌になりたい〜
第5章 ヴァンパイア
彼がヴァンパイアである事。
それは、間違いないとわかったけど、私が彼を好きだという気持ちに変わりはなかった。
人間じゃないとか、そういうのは関係なく彼に惹かれてる自分がいる。
こんな気持ちになるのは、初めてで自分でも初めての恋に舞い上がっていた。
この時はこの恋が、辛くて切ないものになっていくなんて、考えもしなかった。
ヴァンパイアと人間の恋を深く考えずにいたから。
私の初恋は、これから自分が思っていた甘く楽しい物ではなく、険しい道程になっていく。
深い深い沼のように、貴方と共に墜ちていく事になるなんて…。