甘美な吸血〜貴方の餌になりたい〜
第6章 昼と夜
「あぁ…気持ちいいのっ。もうダメ…紫艶…。」
「もっと気持ち良くしてやるから。」
そう言った眞多さんが、女性の首筋に手を掛けて、唇を近付けていく。
二人の様子を見ていた私に、眞多さんがニヤッと笑う。
………あっ!!!
私の方を見た眞多さんは、昼に会う優しい雰囲気の眞多さんではなく、私が恋した紫艶そのままだった。
紅い瞳をした眞多さんは、私を見つめたまま、口を大きく開ける。
その口には、八重歯とはいえない鋭い牙が生えていた。
その牙が女性の首筋に躊躇なく刺さっていくと、女性は今まで以上に甘い声をあげた。