
完璧な駄犬と憂鬱な秘書
第10章 完璧なライバルと憂鬱なご主人様
「ライカ――――?サニーから…電話なんて来ていません…よ?」
「――――え?」
私は意味がわからず…曽根を見つめる…
騙された?
は?なんで?――――騙す意味があるの?サニにとって…なんのメリットもない…
「意味がわからない…」
雨は…どんどん激しくなっていく…
あのまま…曽根と出会えていなかったら…
もっと濡れていて…もっと…惨めだったかな?
そんなことを思いながら…私は曽根がいたであろう場所を窓から見下ろした――――…
と――――…そこに…
傘をさした人が通りかかる…
「――――あ…」
私は、その傘の人物に息を飲む――――…
傘の人物はホテルを下から見上げ――――…
私のいる階で…視線を止めた
「…サニ?」
「――――え?サニー?」
