
貴方がいつもそこに居てくれたから…
第2章 弐
本当の僕を打ち明けてからも、相葉さんの態度も雰囲気も全然変わらない。
寧ろ、前より優しくて柔らかくなった上に、スキンシップも距離感も近くなってる気がする。
「あの……少し…離れて、ください///」
相葉「えー♪何でよ♪」
「何でって///…ち、近いです、から///」
櫻井「あははは(笑)!…二宮さん真っ赤(笑)!」
今、僕たちは大野さんのお店に来てる。
相葉さんがどうしても二人に伝えたいって聞かないから。
好きだと伝えてしまった。
今でも少しいいんだろうかって思う瞬間があって。
その度に、気付いたかの様に僕にキスをして優しく微笑んでくれる。
言葉はなくても、それがいいんだと言ってくれてるみたいに思えたら、僕はちょっとだけ救われるから。
大野「ははは(笑)まぁ、程々にしてやんないと。…ニノが可哀想だぞ(笑)?」
相葉「だってさぁ!」
櫻井「二人の時にしてやれよ(笑)…俺らは見てて可愛いから別にいいけど♪ここまで真っ赤になられるとさすがにちょっと可哀想だな(笑)」
楽しそうな三人。
カウンターの中に居る、大野さん。
櫻井さんは相葉さんの隣で。
何故か不思議なんだけど、いつも櫻井さんは大野さんの隣には居ない。
仲の良い二人なのに、相葉さんの様にベタベタとくっ付いてる所を、僕は見た事がないと思う。
「あの…櫻井さんは、どうしていつもそこに座ってるんですか?」
櫻井「え?」
相葉「何?どう言う事?」
聞き方が悪かったのか、誰にも僕の疑問が伝わらなかった。
だからと言って他に何て聞けばいいのか、僕には言葉が見つからなくて黙り込んでしまう。
言葉は時に人を傷付ける。
僕はそれが怖くて、思っても言葉に出来ず何度も頭の中で考えてしまうから、結局言えずに飲み込むんだ。
大野「ふふ(笑)…要は。雅紀みたいにベタベタしてないのが不思議なんだろ?」
相葉「え?そうなの?……でも言われてみればそうかも」
櫻井「…何で、って…」
大野「俺の店だから、だろ?」
そう言って櫻井さんのグラスにお酒を注いだ。
ポカンとしたのは、僕だけじゃない。
隣の相葉さんも同じで。
櫻井さんは小さく笑ってた。
大野さんの店だから…
だったら、尚更隣に居てもいいんじゃないだろうか。
だってカウンターの中にはちゃんと椅子もあるんだし。
分からず首を傾げる僕。
