
貴方がいつもそこに居てくれたから…
第4章 参
目が覚めたら、僕をギュウギュウ抱き締めて気持ち良さげに眠る相葉さんが居る。
顔を見た途端、夕べを思い出して恥ずかしくなった。
だけど聞こえてくるその寝息に、安堵してる自分が居るのと胸の奥が温かくて幸せだって思える。
ちょっとだけ、起こさない様に胸元に擦り寄ってみる。
相葉「………ん………和くん?」
「…///」
相葉「おはよう♪」
「……はよ、ざいます///」
朝だと言うのに、真っ赤になった僕を『可愛い♪』なんて言いながら更にギュウギュウ抱き締めてくる。
それでもやっぱり嬉しくて幸せだなんて、思った。
朝から甘い雰囲気の相葉さんを仕事に行かせるのは、本当に大変だった。
『…休みたい…』とまで言い出して、僕はもうそれは必死で説得。
こんな事で仕事を休むなんてとんでもない事だって。
大人としてそれは駄目だし、僕がせっかく勇気を出して相葉さんに抱かれた事を後悔するのは嫌だからとも言った。
そこでやっと、渋々ではあったけど仕事へと出掛けてくれて。
僕は僕でバイトへ向かう為の支度を始めた。
出掛ける間際、何となく…身体にいつもと違う違和感がある事に気付く。
風邪でも引いた?
そう思いながらも、それほど気にもせず時間がないから出掛ける事にした。
どうにも身体の不調が気になり、バイトに集中出来ない。
それどころか、時間を追う毎に悪化してる気がして。
『おい、二宮。…お前大丈夫か?顔色悪いぞ?』
「……すいません。大丈夫です。…顔色悪いのは、元々なんで」
誤魔化してはみたものの、やっぱり身体が怠くて仕方ない。
どうしよ…
もう後一時間くらいで上がれるんだけど…
『二宮くん、もう上がったら?顔色悪いし、倒れたら大変よ?後はおばちゃんやっとくし、店長にも言っておくから。ね?』
パートのおばちゃんにそう言われて、僕は何度も『すいません』と繰り返し帰る事に。
とは言え、着替えて店の外に出たらとても歩ける状態じゃなくなってた。
ヤバい…って思った僕は一旦その場に座り何度か深呼吸する。
大野「………ニノ?」
そんな声に、僕はゆっくりと顔を上げた。
駆け寄ってきた人が、大野さんだと気付いて。
"…どうしてここに?"って言葉は、声にならず。
『おい!ニノ!』って大野さんの声を聞いた気がする。
だけど僕の記憶は、そこで途絶えた。
