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貴方がいつもそこに居てくれたから…

第7章 五


「おはようございます」

『おはよう、二宮』

「あの、店長。…ちょっと、いいですか?」

『何だ?どうした?』

「実は、ここのバイトを辞めたいと思ってるんですけど…」

皆にお祝いしてもらった翌々日。
僕はコンビニのバイトに出掛けて、店に入ってすぐに見つけた店長にそう伝えてみた。
とんでもなく驚いた顔の店長に、物凄く心苦しくなる。
でもやっぱり、夜のシフトは時給はいいけど…
もうそんなに頑張らなくていいって、相葉さんはもちろん大野さんたちにも言われたから。

それと、夕方には帰って夕飯を作って待っててあげたいと思うんだ。

『二宮、どうしたんだ?何か嫌な事でもあったか?……時給か?安いならもう少しだけ上げられるぞ?』

「いえ。すいません、そうじゃないんです。何の不満もないんですけど、夜はどうしても家に居なきゃならない事情が出来てしまって…」

全くの嘘ではない。
けど、嘘…と言えば嘘。
だから物凄く心苦しかった。
でも大野さんも櫻井さんも、きっとこう言えば納得してくれるはずだって言ってた。

案の定、店長は"それなら仕方ないかぁ…"って凄く残念そうで。

何度もすいませんって頭を下げて謝った。

代わりを見つけなきゃならないって、店長がブツブツ言ってたのが本当に申し訳なかった。

何とかコンビニを辞める事にはなったけど、申し訳ないからどうしてもシフトに困った時は連絡くれれば出るって事を伝えたら、店長がとても喜んでた。


その後、成瀬さんたちもお付き合いを始めたって大野さんから聞いた。
その前からの状況とあんまり変わった様子はないらしいけど、成瀬さんが前よりだいぶ雰囲気が柔らかくなったとも言ってたから、幸せなんだと思う。

相葉「あのね?和くん」

「…?…何です?」

帰って来て早々に情けない顔してる相葉さんが、リビングで正座してる。
何かあったんだろうか。
申し訳なさそうにも見える彼に、謝られる様な事はないと思うけど…

相葉「実は、さ。…今度の、土日……慰安旅行があるんだよね…」

「…慰安旅行、ですか?」

相葉「……うん」

「いいじゃないですか♪…楽しんで来てくださいね♪」

相葉「………淋しく、ないの?」

「え?」

相葉「三日間も居ないんだよ?…俺」

「あ、えー…っと……そりゃ、まぁ…淋しくない事は、ないですけど///」

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