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I'm In Love With The HERO

第4章 Haunted【黒桃】





「ちょっとさくら、いいか?」

明石に呼び止まれたさくらは顔を強ばらせた。鼓動が早くなり脂汗が出る。どうか見られてませんように。

「……何でしょう」

それに気付かない明石は続ける。

「最近、体力が落ちてきてないか?」

明石の問いに歯を食いしばった。
さくら自身、明石が言いたいことなど嫌でもわかった。
それはプレシャス回収時のネガティブ達との戦いで足を引っ張ることが多くなってきたのだ。
別に体力は落ちていない。前と同じなのだが。
それはさくらのジャケットの下、アクセルスーツの下にある異変が起きていたから。
正直、手足を動かすだけで激痛が走る。その理由は。
さくらはどう答えれば良いのか変わらずふと視線を外した。そこにいた人物に目を見開いた。その人物はこちらを見るとすぐにどこかへと歩いていった。

「すみません。善処します。では。」
「っ、さくら!」

足早にこの場を去るさくらに明石は違和感を覚えた。


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