テキストサイズ

I'm In Love With The HERO

第4章 Haunted【黒桃】




さっきまでの怒気を含んだ声とは一変し、悲痛な声だった。
真墨は手を離した。膝から崩れ落ち、空気が一気に肺に入り、さくらは咳き込んだ。
真墨はフラフラとその場を離れ、歩き出した。「待ってください!」と声を掛けたいのに咳が止まらない。
辺りが涙で滲む。

-どうしたら俺の気持ちが伝わる?

それはこっちのセリフです。
いつも一方的に怒って嘆いてどこかへ行って。勝手にも程があります。
私を殴って気が済むならそうして。
私を怒鳴りつけて気持ちを吐き出せるならそれでいい。
いいから。何をしてもいいから。
私はあなたが思っているよりあなたに依存してるから。



ストーリーメニュー

TOPTOPへ