テキストサイズ

桜花楼の恋

第13章 恋乱舞い

・藤ヶ谷side

明けて翌朝、寒かったのもあり俺と北山は目を覚ました後も2人して布団の中でくるまりながら。



北「藤ヶ谷、腹 減らないか?」

藤「んーけど、もう少しこうしてようぜ」

北「出たくないだけだろ」

藤「そういうお前こそ」

北「そりゃあ、でもキリがない気がするし」

藤「じゃ、せぇーので起きる?」

北「やだっ、ギュッ」

藤「ふっ」



互いの体温ほど暖かく感じるものはない。



藤「チュッ」

北「んっ、チュッ」

藤「クスッ」

北「んふふっ」



俺たちは何度も接吻し合い、その存在を確かめるかのように時を過ごしていた。

すると━



塚「本当だってトッツーも俺も確かに聞いたんだ」

河「なわけないじゃん」

戸「でも、じゃあ誰が北山と一緒にいるの?」

五「昨夜は横尾の代わりに翔が来ていたんだろ」

戸「けど、あの声は」



あははっ、どうやら顔を出した方がいいみたいだな。



藤「ほら起きるぞ着物を羽織れ」

北「ちぇっ」

藤「クスッ、よし」



そして…



藤「お前ら、そんなところで喋ってないで中へ入って来れば」



そう声を掛けると、物凄い勢いで障子が開き。



河「太輔!」

塚「ほら言った通りじゃん」

五「おまえ尾張に帰ったんじゃなかったの」

戸「もしかして北山に会うため抜け出して来たってわけ」

藤「まぁ、フッ」

北「こいつ雪の中を歩いてここまで来てさ驚いたのなんの」

五「また随分と無茶なことを大丈夫」

河「きゃははっ、太輔らしいや」

塚「笑ってる場合じゃないと思うけど」

戸「うん、もしバレでもしたら」



それでも━



藤「構わないさ、フッ」

北「藤ヶ谷」




ストーリーメニュー

TOPTOPへ