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桜花楼の恋

第19章 優しさと温もり

亀「出発する前に注意しておかなければならない事がある」

北「なんで?」

亀「お前が男だって知っている者は限られた連中しかいない」



俺たち仲間、それに。



亀「北山のお得意客として面を合わせた家臣ら数人」

五「他には?」

亀「あと5名、引き合わせたい者がいるんだ」

北「んっ?」

亀「入って来い」



と、その声に襖が静かに開き姿を現した5人の腰元。



京本「お初にお目に掛かります京本大我と申します」

安井「安井謙太郎です以後お見知りおきを」

岩橋「岩橋 玄樹と申します」

萩谷「萩谷慧悟です」

岸「岸優太でございます」



おっ、男!?



河「こりゃまた驚いた」

五「見た目、言われなきゃ分からないじゃん」

横「こいつらもしかして」

亀「あぁ、加賀の忍びさ」

橋「亮太と同じ?」

河「まぁ同じと言えば同じだが違うと言えば違う」

橋「???」



かっ、河合。



河「亮太は女だけど男の格好をし、こいつらは男だけど女の姿で、んっ?きゃははは俺まで分からなくなっちまった、ハハッ」

橋「‥‥‥」



ばか、ハァ



亀「いいか?話しを続けても、クスッ」

戸「すっ、すみません」

亀「北山が男であることがバレたら全てが台無しになってしまう」



が、大名の姫君には腰元が付き着替えや風呂・用を足しに行くときでさえついて行くのが決まり事。



亀「その為」



加賀の若君は、忍びの中からこの5人を選び北山に付くよう命じた。

そこまで周到な準備を…




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