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桜花楼の恋

第19章 優しさと温もり

亀「嫁ぐと決まった際には加賀より付き添って来た5名の腰元が全て姫の身の回りの世話をする」



だから━



亀「尾張の腰元を傍に付ける必要はない、そのことを了承して頂きたいと」



申し出たんだね。



横「で、返事は?」

亀「慣れぬ生活を強いる事になるゆえ致し方ない、だそうだ」

横「感謝します」



凄い人だなぁ、この人。



亀「北山」

北「んなに?」

亀「その他の者の前では姫らしくし絶対にバレないようにしろ」

北「分かっているって」

亀「特に言葉遣い」

北「ちっ」

戸「クスッ」

河「よーし俺らも着替えようぜ」

北「お前らはなんになるんで?」

五「そりゃ大名行列なんだから」

河「決まってるじゃんな」

北「んっ?」



数分後━



北「ぷっ、ガハハハハッ」

河「何がおかしい」

北「へっ、へっぽこ侍みて…クククッ‥あははっ」

河「くっ、五関だって同じ格好してるじゃん!なんで俺だけ」

五「俺は似合ってるもん、なぁ北山?ニコッ」

北「あぁ、クククッ」

河「ちぇっ、勝手に笑ってやがれ」

戸「んふふっ」

橋「僕は?」

北「爽やかな若武者ぶりだぜハッシー」

橋「やったぁーエヘッ」

北「トッツーと並ぶと兄弟みたいだわ、フッ」



もう、みんなして大騒ぎ。



横「お前らそこらへんにしといたら、そろそろ出発するよ」



が、横尾の一言で一瞬にして緊張感が漂う。

これからが勝負、北山と藤ヶ谷が一緒になれる。

誰もが自覚していた今まで頑張って来たのはこの時の為だったんだってことを。




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