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ある深夜の来店客

第1章 ある深夜の来店客

 警察が茶色の封筒を調べると、中に盗んだ分のお金と手紙が入っていた。



『金に困ってやった。
ふと君の顔を思い出したんだ。
なぜだか君なら許してくれると思った。
君に迷惑をかけてすまない。

ずっとお礼が言いたかった。
毎日私を元気付けてくれてありがとう。
君が作ったご飯は最高においしかった』



「不思議なこともあるんだな……彼がしたことは許されないことだ。だが、彼は死んでも君に伝えたかったんだろうな」


 俺は放心状態になりながらも、涙が止まらなかった。そしてもう二度と、深夜バイトはするまいと心に誓った。





(完)


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