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僕ら× 1st.

第5章 伊織の婚約者 --Shu

花野ちゃんと荷物を教室に送ったあと、アルは物憂げに俺に質問してきた。

「なぁ、彼氏じゃなきゃ誰に貰ったってんだ?」

「準彼氏ってことじゃねぇか?」

「準彼氏…マスターの言ってた"あいつ"か…。高校生なのかな?…花野ちゃん、そいつが好きなんだろな……」

「まだ彼氏じゃないっていうのは確かだ。お前も名前は覚えられてたじゃね?」

せめてもの救いだな。

「今日……」

ぼんやり会話していたアルの表情が寂しげながらも、にまぁっと色を帯びる。

「反則なみに可愛かったな」

普段の制服しか見たことねぇから余計に。

「ああ。すっげ似あってた」

「トナカイヨーダと、電飾樹木男との画像でよけりゃ、やるよ?」

スマホを操作して、さっと送りつける。

「お前、いつの間に…」

自分のスマホを覗き、「本日大収穫」とアルは俺に礼を言った。

マコちゃんに貰ったんだ……。
きっと、伊織の手元にも届くんだろうけどね。

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