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僕ら× 1st.

第6章 卒業まで --Ar,Mkt

「では、"ムーンリバー 運命の2人バージョン"」

クスクス笑いながら花野ちゃんは弾いてくれた。

……運命じゃなくて、切っても切れねぇ腐れ縁だって…。

「知ってるけど、知らない?」

「アル、その言い方。"知らないけど、知ってる"のがよくね?」

同じだろ。

「ふふ。原曲を少しアップテンポにして、おふたりのカッコよさを反映したブルーノートバージョンです」

青い音符?
てか、俺のカッコよさって……嬉しいんですけど!

「ジャズみたいだったぞ?それがブルーノート?」

「そう!さすが、吉坂先パイ!それに、柊先パイと息がぴったりですね!」

ジャズが正解だったみたいで彼女に褒められて、さらに気分があがる俺。
それを知ってか、柊が茶化した。

「アルと俺はね、"相思相愛"ってよく言われるんだよ」

「やだよ。お前みたいごっついヤローとなんて」

一部女子の間では、マジで俺と柊の仲を疑る連中もいるらしくて。
そんな誤解を花野ちゃんにしてほしくない!
だって、俺の好きなのは…。。

「だよな。お前は"相思相愛"なら可愛い花野ちゃんとがいいよな?」

うーわ、俺の本心を……。

「そりゃ断然、花野ちゃんだろ」

マジな心中だけど、軽く流す。

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