テキストサイズ

僕ら× 1st.

第7章 伊織帰 --Ior,Kn,Ar

ピンポーン!

あ、誰か来た。

「どうせ何かの勧誘よ。親もいないしほっとこ」

まあ、そうだよね。
中学生に用事はないか。

「こないだなんてさ、宗教の若造がやって来て"僕とお話しませんか?"だって言うのよ?」

"若造"って、きっとマコより年上よね…。

「え?面識のない人が?」

「そう思うでしょ?人妻つかまえて、たらしこんで勧誘しようって輩よ。途中でお金がなくなって逃げようとしたら、浮気を旦那にバラすとか脅すのよ。で、人妻は貢ぐために風俗やヤミ金にはまっていく」

「怖いね……」

どうしてそんなことマコは知ってるんだろうってのも気になるけど。

マコはそこで話を変えてきた。

「それでね、これ、これ!アル先パイの流し目、最高!」

再びアルバムに目を落とす。
"撮んなよ?"って声が聞こえてきそうな写真。

と、そこへまたチャイムが鳴る。

「しっつこいわねぇ!どこの誰よ?」

と言いながらも動こうとしないマコ。

「お届け物とかじゃない?」

少し遅れたお中元とか。

「もう、しかたないわねぇ」

重たい腰をあげたマコは1階におりていった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ