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僕ら× 1st.

第7章 伊織帰 --Ior,Kn,Ar

「お前、ニュース全然知らないんだなぁ。T上奏文とかWプランオレンジとか小学生でも知ってるよ?」

「うっさい。だから教えてって言ってるでしょ!」

リルがマコに教えだしたので、先ほど言われたように古典のプリントを読んでいく。

30分くらいで終わった私は、横に置いてあったアルバムをぱらっと開く。
どこかにリルは写ってないのかな?

しばらくすると、マコがぐーっと片手を伸ばして息をついた。

「あー、疲れた。あんた教師に向いてない」

「何だと?お前こそ生徒に向いてないよ」

「私は一流の生徒よ。あんたの教えかたって、偉そうでめんどくさそうでサイアク」

言いたいこと言える仲っていいなぁ。
本気で向かいあってるってことだものね。
私もふたりとそんな関係になりたいんだけどなぁ。

「ハニィは何を見てるの?写真?」

また口喧嘩が始まるのかと思ったけど、リルはマコの言葉を遮るように手を払って、私を覗きこんでくる。
また……近いって。

「これリルが撮ったの?いい表情に撮れてるね」

「あ、アル兄か…」

と言いながら、じっと動かない…。

な、何かな?

はっ!
も、もしかして、リルの好きな人って。

。。。。?!

まさか、まさかよね、、でも。まさか?
今までそんな素振り、ちっともなかったのに。。
リルったら…そんなそんなそんなっ。

でも、こちらから聞いちゃダメよ?私。
きっとリルも、ものすごーく悩んでるんだろうし。

なんだかドキドキしてきた私に、リルは尋ねる。

「ハニィもアル兄みたいにカッコいい男が好き?」

や、やっぱりそうなの?
てことは、私にも打ちあけてくれるの?

「そうね…。カッコいいよね。好きになっちゃうよね」

なのに私、何て言ったらいいのか。

でも、マコも認めてるんだから、私も応援しよう……。
柔らかい考えかたが大切だもんね。

「え?」

「あ、気にしないで」

あまり知られたくないかも、だし。

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