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僕ら× 1st.

第1章 初期状態 --Ior,Shu

「彼氏、元気?今週は会った?」

一緒に入浴して2ラウンドのち、裸のままホテルのベッドに寝そべって尋ねる。

「うん、まあね。昨日…」

「昨日会ったんだ…じゃ、シた?」

俺の横で顔をこちらに向けて、うつ伏せになっている太ももに手を這わせだす。

「そういうのってわかんないの?」

浮気したら形でわかるだなんて、迷信じゃねぇか?
きっと背徳とかの心情を男も読むんだと思う。
だから、俺一本じゃないって公言してる女とシたところでわかるわけねぇよ。

「キナのは締まりがいいからわかんねぇな」

後ろから触れるか触れないかの位置を撫でる。
すると、敵もさるもの。
触れた瞬間にピクっと腰をわずかに動かし、甘い声を出す。

「何回シた?」

「いつも1回」

「その1回が、すっげぇ激しいのか?」

彼氏まだ20代だろ?
1回で満足なんだ……。
ま、俺のまわりがおかしいだけかもしんねぇけどさ。

「違うよ。ヘタレなだけ」

「…キナはもっとシてほしいの?」

俺の手は2本の指を足にして、キナの尻から背中をつつつと登る。

「あンっ、くすぐったいっ……。あの男は何回しても一緒。ヘタレはヘタレ」

「淡白ってこと?」

首まで辿った指は、一気に駆けおりる。

「いっ、やァん。そうなのかもね。おまけに早いし」

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