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僕ら× 1st.

第7章 伊織帰 --Ior,Kn,Ar

***

親父の強制焼却から半月。
そろそろもう一度作りなおそうか、しかたねぇ。
これからはこのラボで作ろう、と思っていた矢先。

残っているボックスからPCの部品を確認し、取り寄せるパーツを点検していると、軽いノックが聞こえた。

ドアを開けると、またあのエロ男。
つぎは何だよ?
もう、俺の侑花(ユカ)は見せねぇ。

そう、名前をつけた。
俺と彼女の名前をくっつけた。
何て安易な…。

柊は重そうな箱をそっと俺の前に置く。

ん?緑の箱に金色のリボン…クリスマスプレゼント?
まだ9月下旬だぞ?

「誰から?」

「親父さん」

今までそんなことしたこともないのに?
俺の誕生日だって覚えてねぇような男だぜ?
気味悪いが、置いとくわけにもいかないので開けてみた……。

「俺のPCじゃねぇか!…それと現金?」

「よかったな」

嬉しいけど、これプレゼントっていっても、もともと俺のなんだけど……。

札束の上にカードがはさまれていた。

『侑生へ。 父さんたちといつまでも元気で。あなたが幸せ になることを せつに願っています』

何だ?
親父がこんなこと書くわけねぇ。

じゃあ、誰からなんだ?

俺は柊と顔を見あわせた。

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