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僕ら× 1st.

第7章 伊織帰 --Ior,Kn,Ar

「わかってんなら、伊織を避けるな」

「バレた?」

帰国後、すっげイチャイチャしてた。
あれから、1か月……もう、キスとかしたのかな。
今年のクリスマスには、きっとふたりは……。

伊織なら、柊が管理するホテルになんて入るはずがねぇ。
ロマンチストなヤツのこと、彼女との特別な日は最高の準備をするだろう。

自分がそうしたかった彼女は、伊織の。
ガキっぽい嫉妬がまったくないとはいえない。
いやもう、嫉妬だらけだよ。

「あいつが気づかないワケねぇだろ?」

「イオ、何か言ってた?」

「言わねぇよ。そういうヤツだって知ってるだろ?それに、何か花野ちゃんとあったらしくて落ちこんでる」

「あ?」

「絶望的とか言ってた」

「何でだよ?」

は?もしかして、まだつきあってもねぇのか?

「わかんね」

「思いすごしだろ。あいつ、慎重すぎんだ」

絶望的なのは、俺。
未だ忘れられないでいるんだから。

「考えすぎるとこあるからな…」

どこをどう考えたら絶望的なんだよ?
花野ちゃんは伊織に惚れてるじゃねぇか。
アクセサリーまで交換しあって、どのつらさげてそんなトボけたことほざいてんだ、あいつは。

侑花に下着を着けようとする柊を追いはらったあと、俺はすぐとなりの伊織の部屋へ向かった。

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