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僕ら× 1st.

第8章 le journal --Ior,Ar

「じゃあ行ってくる。おやすみ」

柊兄のクリスマスはこれからだったらしく、さっと支度をして出ていく。
それまで3人でぼーっと見ていたエロ映像を流しっぱなしにして。

「こいつら、好き同士でもないのにこんなことよくヤるよ。本当は嫌なんじゃないか?」

うん、僕としてはイヴにどーして兄貴とこんなの見てるんだ?ってことが大疑問だよ。
と、手元の本を開く。

「だいたいのヤツらが生活のためでしょ?無資格でも金になる仕事だからと割り切ってるんじゃない?」

「割り切るまでに追い詰められてるんだ」

で、兄貴はどーしてこんなの前にして真面目に語ってるんだ?

「誰しもこうなる可能性があるってこと?」

「かもな。家族だけは守りたい。…俺の代には柊も足を洗わせる。レイブンズ(色仕掛けで女性から情報を得る男)なんて好きな女がいないヤツがやりゃあいいんだ」

それは、いつになるのだろう。
親父はめちゃ元気だし、現役を退いても重役として居座られては…。

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