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僕ら× 1st.

第9章 トリオ --Shu,Ior

「やられた」と言いながら、アルは奥から段ボール箱を2つ引いてきた。

「クリスマスの礼。どうぞ貰ってくれ」

俺がそろうまで待ってたのか。
2次会行かなくてよかった。

リボンも何もかかっていないのがアルらしい。

「どっちでもいいの?」

立ちあがった伊織が、箱の周囲を確認しながら尋ねた。
ただ茶色いだけの武骨な箱。

アルは「同じ」と言いつつ、ニコニコして箱を開けだす。
貰った俺たちが開けるんじゃねぇのかよ?

なかから出てきたのは、小犬型ロボットだった。

「外で売ってたの真似して作った。使ってみてくれ」

と、ニシッと笑う。

「すごっ!動くの?センサーついてるけど?」

伊織が瞳を輝かせてアルを見る。
へぇ…こいつ、こういうの好きなんだ。

「そうさ!これで仕事が楽になるかもよ?」

仕事?
「てことは」と俺も興味を投げかける。

「こいつに盗聴、監視させんのか?」

アルは「ご名答」とニッカリ笑った。

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