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僕ら× 1st.

第9章 トリオ --Shu,Ior

中等部までやってくる高2女子、さてどんな物好きなヤツかと思ってみれば、やけにハイテンションなのが入ってきた。

「はーい!羽賀桃湖(トウコ)です!桃湖って呼んで?こないだ二人の演奏聴いて、是非一緒にさせてもらいたいなって思ってたの!」

花野に向かってニコニコと両手を振る。

「ありがとうございます!宮石花野です。よろしくお願いします!」

花野は礼儀正しくペコリとお辞儀をした。

「じゃ、俺、また顔出すな。おい、速水!笑え!すまんな羽賀、アイソのないやつで」

と言って顧問は笑顔で出て行った。
あー、これで僕の監視任務が解けるもんな。
よかったなー。

「ね、ね、羽賀さん!桃湖ってすごい可愛い名前ね!私ピアノなの。羽賀さんのジャンルは何ですか?」

花野が羽賀に嬉しそうに近づく。

「何でもチャレンジしたいなぁ。花野ちゃん、羽賀さんってヤメテ。桃湖って呼んでね。それと、カタい敬語もなしね。年が違うけど仲良くしよ?」

そういえばこいつ、アル兄柊兄とタメか。
ま、苗字が違うから気づかれないか。

「んっ、仲良くしたいっ!桃湖って呼ぶから、私のことも花野って呼んでね!」

アル兄、まだピアノ調整してんのかな?
あのロボにいかがわしいことしてないだろうな…。
潔癖(?)アル兄なら大丈夫だろうけど。

「わかった!花野ってすごくチャーミングね」

ん?何の話?

「えっ、美人さんの桃湖に言われたら嬉しいっ!」

美人?まあ、舞台には映えるかな。

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