
僕ら× 1st.
第9章 トリオ --Shu,Ior
「そう?ふふ。で、そこの暗ぁいだんまり君は?ドラム鳴らしてる時は、爽やか元気君だったのにさ?」
ほう、気がキツそうだな。
「伊織君、調子よくないの?」
そうだよ。
せっかくの放課後に花野を取られそうだし。
「大丈夫。で、入んの?」
僕を覗きこむ花野の頭を撫でながら、羽賀に気のない視線を向ける。
「入るよ」
羽賀は、僕の手が花野の髪をとかしているのを眺める。
「ちっ」
僕があからさまに舌打ちして見せると。
「伊織君っ。挨拶、まだだよねっ?」
おぉ、花野に怒られたよ。
僕に冷たくすると、抱き締めるよ?
と、花野を軽く腕の中に引き入れる。
「速水だ、以上」
「ごめんね、今日は人見知りの日みたいで」
「大丈夫よ?」と諭すように僕を見るけど、"人見知りの日"って何だよ?
「わかりやすくていいよ。伊織も桃湖って呼んで?」
ぁあ?
「伊織じゃない、速水」
「じゃ、速水。よろしくね」
「よぉろぉしく」
やや巻き舌で不機嫌に挨拶。
あんたと仲良くする気はない。
「……何か変なものでも食べたの?」
花野は不思議そうに、僕の頬を人指し指でツンとつついた。
ダメだな、最近は感情が先走ってる。
いつでも僕が独り占めしたいのに、そういうわけにもいかなくて。
ほう、気がキツそうだな。
「伊織君、調子よくないの?」
そうだよ。
せっかくの放課後に花野を取られそうだし。
「大丈夫。で、入んの?」
僕を覗きこむ花野の頭を撫でながら、羽賀に気のない視線を向ける。
「入るよ」
羽賀は、僕の手が花野の髪をとかしているのを眺める。
「ちっ」
僕があからさまに舌打ちして見せると。
「伊織君っ。挨拶、まだだよねっ?」
おぉ、花野に怒られたよ。
僕に冷たくすると、抱き締めるよ?
と、花野を軽く腕の中に引き入れる。
「速水だ、以上」
「ごめんね、今日は人見知りの日みたいで」
「大丈夫よ?」と諭すように僕を見るけど、"人見知りの日"って何だよ?
「わかりやすくていいよ。伊織も桃湖って呼んで?」
ぁあ?
「伊織じゃない、速水」
「じゃ、速水。よろしくね」
「よぉろぉしく」
やや巻き舌で不機嫌に挨拶。
あんたと仲良くする気はない。
「……何か変なものでも食べたの?」
花野は不思議そうに、僕の頬を人指し指でツンとつついた。
ダメだな、最近は感情が先走ってる。
いつでも僕が独り占めしたいのに、そういうわけにもいかなくて。
