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僕ら× 1st.

第9章 トリオ --Shu,Ior

小さめのソファに座り、顧問に礼を言っておやつタイム。

花野と僕はストレート。
顧問と羽賀はミルクと砂糖をカップにあふれそうになるまで入れる。

可愛く澄ました若鮎の中には、求肥と花野の大好きなチョコクリームが入っていた。
他がフォークで割って1口づつ食べる中、顧問は2口で完食した。

「お前の兄ちゃんらにも勇姿を見せてやれよ」

そんなこと言って、僕が首を縦に振ると思うのか?

「え?速水、お兄さんいるの?」

「恥ずかしがるなよ」

菓子と甘々ティを交互に口にする羽賀、信じ難い味覚。

「そんなんじゃない」

花野を見せて、アル兄を起こしたくはない。

1年の文化祭で花野はサンタガールを努めたはず。
僕も小津に画像を貰った。
あの花野にアル兄は会っているという確信。
クリスマスではそんな反応だった。

あれから1シーズン。
まだくすぶっているはずだから。

特に、最近は様子がおかしいから…。

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