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僕ら× 1st.

第1章 初期状態 --Ior,Shu

「もうシステムはできあがってるし、PC上で完結することがほとんどだから何とかなるんだ。メンテはアルがしてくれるし」

誘導は確かに俺だけど今回は、ヤツの行きつけの店で女と張ってただけだし。

俺のことは両刀だと思わせてある遊び女。
俺が興味を示した男に寄って、ハンドルネームを引きだしてくれる。
SNSの架空名くらいこの妖艶美女と交換してもバチは当たらないだろうと、ほろ酔い男は自分に都合よく解釈する。
この方法は、所帯持ちが相手でも成功率が高かった。

「オプトイン(メール配信受諾)した優良名簿が主だけど、ときにはバナーからの"釣り"で引っかかる。まだいるんだよなぁ」

俺たちがほしいのは金銭じゃなくて情報だから、あまり気づかれないし…。

「バナー釣り?メアドとって配信するやつ?アル兄ったらそんなこともしてるんだ」

「アルゴリズムが何たらとか他にもカタカナを並べてアルは言うんだけどな。俺にはわからん」

何となれば、アルゴリズム自体がよくわからん。
"頭をさげればぶつからない"とか。

「アルゴリズムは、問題を解く道とでもいうかな。
アル兄は、仕事効率をあげようと二六時中考えてるんじゃないかな?人工知能とかもそのうち手を出しそうだもんね」

「もう出してんじゃね?」

そんな本なら、アルの部屋に積んであった記憶がある。

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