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僕ら× 1st.

第9章 トリオ --Shu,Ior

目が覚めた……。

いつもの部屋、僕のベッド。
隣に花野がいるはずもなく。

アラーム、あと15分遅らせればよかった…。
ホント、僕の時計って空気読めないよな。

さっきまで目の前にあった花野を思い出そうとするも、泡のように弾けて消えていく。
まだ見ぬ甘い誘惑。

そんな僕をじっと見つめるアル犬…名前考えなきゃな。
諜報に使えるとか言ってたけど、まだ作動してないよな?
僕、寝言とかないよな?
ま、アル兄がそんな男じゃないのは知ってるけど。

ぼんやりしていると、机に置いていたスマホにライン着信が入った。
覗くと、花野からウェイクアップメッセ。

「おはよう、マイ スウィーティー」と呟きながら、服を着替えてリビングに向かった。

今日はコンサートの打ち合わせ。
吹奏楽や軽音、合唱部らと合同の。

メジャーナンバーを2曲、ややマイナーを1曲。
もう、譜面は頭の中に入っている。

あとは、コンディションを整えて、会場の雰囲気にのまれないようにするくらい。

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