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僕ら× 1st.

第9章 トリオ --Shu,Ior

リビングのドアを開けると、もう2人共朝食を終えていた。

「あれ?早いね」

「今日、何時から?」

身支度を済ませた2人は、天気予報を映すテレビを見ながら、僕に意識を向ける。

「10時過ぎ」

「じゃ、先に出るな」

柊兄は腕につけている針の多い時計を確認した。

「パーティ?」

柊兄だけじゃなく、アル兄までお洒落にキメている。
アル兄の服選びから髪まで、柊兄がセットしたんだろうな。
すごくカッコいいけど、機嫌悪そう…。
柊兄、お疲れさまー。

「そんなもんだな」

「しし」

アル兄、目が笑ってない…。
仕事関係なのかな…そっとしておこ。

最近、親父から何度も呼ばれてるからな。
僕もそのうちまた呼ばれるんだろうな……。

兄貴2人には、精神的な疲労の色が見える。
時々見せる感情のない目に、ゾッとする。

アル兄、柊兄、どうか壊れないで。

僕は何を手伝える?
声をかけても追い払われる。
今、2分の1の重荷を、3分の1に…できはしないだろうか。

求められた時、すぐに使えるように準備しよう。
それが、今の僕にできること……。

2人を見送り、僕は朝食を済ませて学校に向かった。

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