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僕ら× 1st.

第9章 トリオ --Shu,Ior

リビングに戻って相談する。
どっちのを入れるかって。

アルと俺、どっちのだった方が都合がいいんだろう?

「アルの方がいいんじゃね?」

女も抱けるんだと、親父も安心するだろ?

「俺は姉弟の方が面白ぇと思うな」

どう面白いんだよ?

アルは更にまた。

「なあ、調べるだけならそこらの犬猫のでもいいんじゃね?」

「どうやって採取すんだよ?てか、人間と同じ形なのか?」

最近毎晩、猫の盛り声は聞こえるけど。

俺たちが笑うと、ムカッ腹の千夏さんが言う。

「私、4人の男に拒絶されて…そんなに魅力ないの?あげくに犬猫ですって?……ひどっ!」

お?…風俗嬢のプライド傷ついた?

だって俺は、濃い血縁の可能性大なんだぜ?
伊織には彼女がいるし……アルにも忘れられないコがいるし。
益川は何を考えてんのかわかんねぇし。

犬猫ってのは冗談だし、調べるだけならっつったろ?

あんまり真面目に精子が…って話もやってらんないじゃね?
俺たち、まだ高校生なんだし。

でも初めての女性メンバーだから、今後も仲良くやっていきたい。
色々頼むこともありそうだし。

「そんなんじゃねぇよ。千夏さんって可愛いから、俺だってこいつが余計なこと言わなきゃ姉弟なんて気にせずにあのまま流されたかったし。でもこいつとさっきの男は、即抱いてみろっつわれても…わかるだろ?こう見えてシャイなんだ。だからね、ついつい変なこと言っちゃうんだ。気にしないでやってよ」

「流石、私の弟ね。口が上手い」

うわ、沈んだふりだったか。
千夏さんは、ニコッとして「あなたのでよろしくね、柊ちゃん」と笑った。

"ちゃん"かよ。

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