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僕ら× 1st.

第9章 トリオ --Shu,Ior

アル部屋の様を知っている伊織が言う。

「千夏さんの寝場所…大輔さんか柊兄のとこが無難じゃない?」

まあな。
女性をリビングで寝かせるのも悪ぃし。

大輔…いつ帰ってくるだろう?
メールしといて事後承諾で使わせてもらうか?

でも、ヤツの部屋って大概汚かったよな…。
隅にオレンジ色のキノコが自生するくらい。

去年の暮れにみんなで掃除してやったから、ある程度はましかもしれねぇけど。

そう考えていると、千夏さんがぼそっと呟いた。

「私、柊ちゃんのとこがいいな」

その呼ばれ方、何だかなぁ…。
アルも伊織も静かに笑ってやがるし。

「うーん。俺の部屋?じゃあ、ちょっと片づけてくる」

さっきの流れからもそうなると思ってたし、俺は伊織んとこで寝るか。

「いいわよ?裸のポスターがあっても私、気にしないから」

「そんなのはねぇよ」

ただ、出しっぱなの仕事道具をしまう時間がほしい。
風俗で鍛えたとはいえ、大人なアレが大量に出てきたら引くだろ?
ここにいる兄弟だって引いてたし。

「先に風呂入ってて。着替え……昔のでも伊織、ない?」

この中で、まだチビっこの伊織服なら着れるだろ。

「見てくる。でもさ、明日どうするの?勝負だよね?」

「俺の彼女の、あげるよ」

彩華さんにあげようと買って、開けずじまいの。

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