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僕ら× 1st.

第9章 トリオ --Shu,Ior

翌朝、リビングで朝食。
本日早朝のうちに伊織は、俺を起こさないようにそっと出掛けたようだ。

「この服、私にぴったりじゃない?柊ちゃんの彼女ってどんなコ?」

Tシャツにキャミワンピの千夏さんは、昨日よりも可愛く見えた。
彩華さんにはもっと似合っただろうけど。

「……涼しげな美人」

俺はテキトーに答える。

「ふうん。写真ある?」

彩華さんの写真、持ってねぇな。

「見せねぇよ。千夏さんは?」

「いないよ。私、こんなだから」

「これからできるよ」

「余裕だね、弟」

「うん。彼女は俺に首ったけなんだ」

アルは朝から無口を貫いている。
伊織が修学旅行ってことは、花野ちゃんも、だからな…。

俺だって彩華さんと旅行はおろか、外出だってしたことねぇ。
伊織……あの贅沢者っ。
帰ってきたら追求してやろ。

俺たちも学校なので、千夏さんに試験管の入った紙袋を渡してそこで別れた。

夕方、俺のベッドで千夏さんとその妹が寝てた。
昨日今日で、俺に姉貴が2人もできた。

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