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僕ら× 1st.

第1章 初期状態 --Ior,Shu

「なっ、下着まで取りあつかってんの?」

エロディスク一覧は顔色変えず見ていた伊織だけど、いきなり映しだされたランジェリーに視線を泳がした。
見慣れてないんだな、当然か…。

「フィアンセに贈るか?」

「口きいてもらえなくなるよ」

やや下を向いてムスッと答える。

「じゃ、こっちの香水は?」

プレゼント作戦ってわけでもないけど、伊織と彼女の曖昧な関係を何とかしてやりたいと思った。

「まだ早いよ」

「そうでもないぜ。同いだろ?」

「うん。中1」

「背伸びしたくなる年頃じゃね?可愛いの買ってあげたら?自分の好きな香りをまとわせるっていいだろ?」

まとわせる…この言葉に伊織の瞳が、一瞬煌めく。

「これ、どんな匂い?」

「そんなの店頭でチェックしてこいよ」

伊織はボトルと香り、爽やかレベルなどのスペックをチェックしているようだった。

いつも生意気、ときどき素直。
俺たちの可愛い弟の恋の行くすえ、見守ってやらなきゃな…こいつをからかうのに調度いいネタだし。

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