
僕ら× 1st.
第1章 初期状態 --Ior,Shu
「なぁ、いつまで見ぃてーるーだけ?」
香水を調べている伊織の横で、身体を伸ばしながら尋ねた。
今日の任務はひとまず終了、あとは伊織をいじるだけ。
「まだだよ。自分に自信つけてから。小柴さんのしっぽくらいつかめなきゃ」
伊織は気になる香水を見つけては、コピペでノートに貼りつけていく。
白や淡い色の装飾の少ないボトルを選んでいるようだ。
可愛いお子様系なんだな…。
「お前、素質あるからいけるだろ」
努力している伊織を知っているから、才能を認めているから、俺は小柴の次世代参謀(ブレーン)は伊織しかいねぇと思っているけどな。
「まだお前のこと好きじゃなくても、つきあってくれるかもよ?いちおう婚約者じゃねぇか」
伊織は、"いちおう"の言葉にキロッと俺を睨むが、ふっ、全然怖くねぇ。
「ここでつきあってしまったら僕、上を目指せなくなるかもしれない。彼女との時間を優先して妥協して、ぬるま湯のなかで僕だけ溺れて…きっと沈んでしまう」
「冷静なお前が?」
ときどきロボットかと思うくらい、迅速かつ的確に動くくせに。
「冷静だからわかる。
僕は柊兄やアル兄みたいな天才型じゃない。
兄貴たち以上の努力しなきゃ簡単に落ちぶれる。
彼女に見限られる」
「そうかなぁ?」
とてもそうは思えないけどな。
こんな話をしながらも、ノートに香水情報がどんどん載せられていく。
「僕、彼女のこと大切にしたいから……なのに、つきあってしまったら、我慢できなくなると思うんだ。
彼女の前では冷静でいられないから」
「男って仕方ない生き物だな」と、PC画面を見ながら伊織は唇を噛んだ。
香水を調べている伊織の横で、身体を伸ばしながら尋ねた。
今日の任務はひとまず終了、あとは伊織をいじるだけ。
「まだだよ。自分に自信つけてから。小柴さんのしっぽくらいつかめなきゃ」
伊織は気になる香水を見つけては、コピペでノートに貼りつけていく。
白や淡い色の装飾の少ないボトルを選んでいるようだ。
可愛いお子様系なんだな…。
「お前、素質あるからいけるだろ」
努力している伊織を知っているから、才能を認めているから、俺は小柴の次世代参謀(ブレーン)は伊織しかいねぇと思っているけどな。
「まだお前のこと好きじゃなくても、つきあってくれるかもよ?いちおう婚約者じゃねぇか」
伊織は、"いちおう"の言葉にキロッと俺を睨むが、ふっ、全然怖くねぇ。
「ここでつきあってしまったら僕、上を目指せなくなるかもしれない。彼女との時間を優先して妥協して、ぬるま湯のなかで僕だけ溺れて…きっと沈んでしまう」
「冷静なお前が?」
ときどきロボットかと思うくらい、迅速かつ的確に動くくせに。
「冷静だからわかる。
僕は柊兄やアル兄みたいな天才型じゃない。
兄貴たち以上の努力しなきゃ簡単に落ちぶれる。
彼女に見限られる」
「そうかなぁ?」
とてもそうは思えないけどな。
こんな話をしながらも、ノートに香水情報がどんどん載せられていく。
「僕、彼女のこと大切にしたいから……なのに、つきあってしまったら、我慢できなくなると思うんだ。
彼女の前では冷静でいられないから」
「男って仕方ない生き物だな」と、PC画面を見ながら伊織は唇を噛んだ。
